歯科ブログ

「ハンドピースの滅菌」について

おはようございます 🙂

今日は「秋分の日」の休日ですが、急患のご連絡を頂いた方も無事診療終了しましたので、この機会に、しばらく前から話題となっていました「ハンドピースの滅菌」について当院の状況をご報告いたします。長文となりますがお許しください。

この問題については、医院によっては患者さんに対して大きなアピール・ポイントとしている医院もあるようですが、一方、高価で大きな機械を使わなくても、一つ一つ手作業で丁寧に、しかも効率よく行われている医院も多くあります。

要は、厚生労働省によって定められた「一般歯科診療時の院内感染対策に係る指針」に沿って実施されていれば患者さんに院内感染の心配なく受診していただけますので、そのことが一番大切なことなのです。当院も指針に沿って普通に診療していますので、患者さんに少しでもご安心していただけたら、と思いご今回取り上げました。

さて通常、皆さんの歯を実際に削る時には3枚目の画像にあるような「ダイヤモンドバー」という切削器具をハンドピースという器具(そうです、歯医者さんが歯を削る時に手に持っている銀色に光っているキーンと音のする、皆さんの一番嫌いな器具です 汗)にセットします。
ちなみにダイヤモンドバーはミラーやピンセットなどと同様に最後の画像の、箱状の「オートクレーブ(高温高圧滅菌器)」で簡単に滅菌できます。
特に「使い回している」と問題にされているのは「エアータービン・ハンドピース」です。一般にハンドピースのヘッド部には小型モーターが内蔵されており、およそ100〜40000回転/分で回転していて、特に高速回転のものは「エアータービン」を利用しています。「キーン」の音はそのせいですね(汗。「エアータービン」はタービン停止時に唾液、血液、削りカスなどの汚染物質などをヘッド内部に微量ですが吸入してしまう欠点があるのです。

当院はこの「ハンドピース」の滅菌に2つの機械を使っています。まずは4枚目の画像の「ハンドピース自動洗浄・注油システム」。これには、「エアータービン・ハンドピース」だけでなく異なる回転数の各種「ハンドピース」を同時に3本までセットでき、それぞれの内部のエアー回路、注水回路、チップエアー回路(これは水を霧状にするためのエアー回路です)の全部を自動で洗浄・注油できます。また、これらの過程を3種類の時間、強さで選び、設定する事もできます。

この過程は必須ではありませんが、これをしないと後のオートクレーブで滅菌した時に、これら汚れがハンドピース内部に固くこびりつき、超精密機械である小型モーターやエアータービンが正常に機能しなくなるのです。この後、最後の画像の「オートクレーブ」で滅菌して完了です。


これらの滅菌作業は最初にお話ししましたように、各医院で方法は様々です。結果として厚生労働省医政局の「スタンダートプリコーション」の基準を達成していれば、「ハンドピース」による院内感染を防げ、患者さんに安心して治療を受けていただけるのです。

ご不明な点は、皆さんのかかりつけの先生にお伺いください。きっと丁寧に説明していただけるでしょう。


p.s.
この記事は当院のFacebookでもほぼ同じものを掲載しています。その他、こちらのホームページにはアップしていない記事もございますので、お時間のあります時にでも御覧ください 🙂

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